ペットを飼育していた物件を売却するときは、一般的な物件を売却するときよりも注意が必要になります。なぜなら、ひっかき傷が残っていたり、動物独自の臭いが付着しているケースが多くあるからです。
また、最近ではコロナのテレワークなどにより、ペットを飼育する人が増加しており、飼育が可能である物件の需要が高くなっているといわれていますが、実際はどうなのでしょうか?
この記事では、ペットを飼育した物件を売却するときの注意点とペットが飼育可能な物件の需要が高くなっている実情について紹介していきます!
ペットを飼育している物件は価値が低下する?
ペットを飼育たことのある物件は、臭いや部屋の傷が原因で査定額が低下してしまうというのが実情になります。
ここでは、ペットを飼育していた物件の価値が低下する3つの原因について紹介していきます!
床や壁のひっかき傷
床や壁のひっかき傷は、ペットを飼育している物件の特徴になります。
しかし、ペットを飼育していない場合においても床や壁の傷はできやすいので、ただ傷があるという理由だけでは大きな減額ポイントではありません。
ただし、傷の範囲が広範囲で、傷が理由により部屋の印象を大きく下げる影響を与える可能性があるときには、減額の対象になります。
基本的に、ペットがつけてしまう傷は日常生活において習慣的に繰り返されてできる場合がほとんどです。そのため、普通に生活してできる傷よりも目立ってしまうため、物件の価値が低下する傾向があります。
部屋にしみついたペット独自の臭い
ペットを飼育している室内には、ペットフードやペットのトイレなどが原因で独特の臭いがしみつきます。
しみついた臭いは、想定以上に買主に対してマイナスな印象を与えてしまいがちです。
においというのは、家主は慣れてしまうので気になりません。しかし、内見に訪れた買主はペットの臭いにすぐ気が付くのです。
たとえ、脱臭効果のあるもので臭い対策したとしても臭いは残っているので、ペット独特の臭いがしみついた物件においては、人気がなく、価値が低価してしまう可能性が高くなります。
飼育未経験者が抱くペットに対しての悪いイメージ
ペットを飼育している部屋にはノミやダニがいるというイメージを持たれてしまう可能性があります。
散歩をしていたり、ベランダなど室外に自由に出入りが可能な状態で飼育をしていると、綺麗好きな人にとっては、その事実を見聞きしただけで不快に感じてしまうことがあります。
また、ペットに対してアレルギーを持っている人は、たとえハウスクリーニングでお部屋が綺麗になっても、ペットが飼育されていたという事実だけで、物件の購入を遠慮してしまいがちになります。
このように、ペットを飼育していたという事実だけで、お部屋に対してネガティブなイメージを持たれてしまう可能性がございます。
ペットを飼育していた物件を売却するときの注意点
ペットを飼育していた物件を売却するときは、飼育していたという状態を払拭する対策が必要になります。しかし、その対策や方法が間違っていると逆効果になる危険性もあるので注意が必要になります。
ここでは、ペットを飼育した物件を売却するときの注意点について紹介していきます。
適度なリフォームと修繕
床や壁の傷については、適度なリフォームと修繕の2つの補修を考えることができます。
適度な修繕とは、床や壁の目立つ傷をホームセンターなどで入手可能な修繕グッズにより目立ちにくくする補修になります。
リフォームは、床のフローリング・壁のクロスの張替えなどを業者により行う大規模な補修になります。
物件を売却するときは、リフォームが最適と思われがちになりますが、リフォーム代金がすべて売却価格に反映されることはあまりありません。なぜなら、中古物件を購入する希望者の大半は、自分好みにリフォームすることや価格が安いことが目的になるからです。
そのため、一般的には、売却前の大規模なリフォームは実施されないことが多いです。
ご自身で適度な修繕を実施するときは、修繕後に臭いが強く残っていないか、傷が気にならないかなど、第三者に確認してもらうとが重要です。
ハウスクリーニングを利用する
カーテンやカーペットといった布地に付着したペットの臭いは、取り換えることにより対処可能です。しかし、長年飼育したことによって、室内にしみついた臭いについては、素人が念入りに掃除をたとしても完璧に除去することは困難になります。
たとえ、飼育期間が短期間であっても、ペットの粗相などによる臭いについては、軽微な消臭と日頃の掃除だけでは十分に払拭できません。
そのため、ペットの飼育期間や経年劣化に関係なく、物件を売却する前にはプロによるハウスクリーニングを利用するのがおすすめになります。
臭い対策をしっかりした状況ならば、査定価格の下落を抑えることが可能です。
内覧時による対応
内覧時による購入希望者の対応は成約につながるのかどうかの判断基準になるので、極めて重要になります。
居住している物件で内覧日を迎えるときは、内覧前に掃除を徹底することはもちろん、内覧当日にはペットをペットホテルや知人に預けるなどしてペットがいない状態が望ましいです。なぜなら、物件の購入希望者が、ペット飼育経験者なのかそうでないかに関係なく、ペットがいることで内覧に集中することができず、購入希望者に悪い印象を与えてしまう危険性があるからになります。
しかし、購入検討者がペットの飼育を予定されているときは、ドッグランや動物病院、公園などの飼育環境や、近隣住人がペットに対して好意的であるかは気になる情報になります。それらの具体的な情報提供ができるのは、物件のアピールポイントになります。
ペットが飼育できる物件は需要が高い?
前述したとおり、ペットを飼育している物件というのは、一般的に価値が低下してしまう傾向になっています。
しかし、ペットが飼育できる物件は需要が高いといわれています。その理由と具体的な売却方法について紹介します。
ペットの需要が高まっている
一般社団法人ペットフード協会による、「全国犬猫飼育実態調査結果(2021年)」では、1年以内に新規で飼育を始めた猫と犬の数は、コロナ前である2019年と比較すると、2021年、2020年の両年ともに増加していることが分かります。
犬と猫の新規飼育数
年代 | 猫の新規飼育数 | 犬の新規飼育数 |
2021年 | 489 | 397 |
2020年 | 460 | 416 |
2019年 | 394 | 350 |
また、ペットの飼育希望の意向を阻害した要因や、飼育を始めた理由についての回答は以下のとおりになります。
【集合住宅(マンションなど)に住んでいて禁止されている】との回答項目が、猫では1位、犬については3位となっております。
つまり、「ペットを飼いたい」という需要に対して、ペットの飼育ができる物件数が少ないのが実情になります。
以上の調査は、犬と猫を対象としていますが、ウサギやハムスター、小鳥などの小動物や、そのほかいろいろなペットも含めると、ペットが飼育できる物件の需要はさらに高くなると考えられます。
ペットが飼育可能な物件を購入者は安価に購入できる
ペットを飼育している物件は基本的に価値が低下します。しかし、ペットの飼育可能な物件は不足しております。この状況というのは、ペットを飼育できる物件を探している人からしてみれば、相場より安価で住宅の購入ができるため好都合になります。
また、価値が低下する原因である臭いや部屋の傷も、ペットを飼育している人からすれば気になりません。
ペットを飼育したくて、新居の購入を検討している人に対しては人気があるので、需要は高いといえるのではないでしょうか。近隣にペットが飼育可能な物件が少ないなどの状況ならば、本来の物件価値以上の価格で売却できる可能性がございます。
売却時は一括査定サイトの活用がおすすめ!
物件を売却するときは、複数の不動産会社に査定を依頼することが一般的になります。
しかし、不動産というのは、必ずしも査定通りに売却することができません。査定価格だけで見るのではなく、担当者の対応や査定に対する説明内容の様子なども比較し、不動産会社を選ぶことが重要になります。
特にペットを飼育している物件を売却するときは、気を付けるポイントがたくさんございます。お客様目線で、親身になってアドバイスしてくれるかどうかは売却の成功率にも影響します。
査定は基本的に無料になりますが、所有者にとっては複数の不動産会社に一社ずつ査定を依頼することは、労力も時間も消費します。
そこでおすすめするのが、一度に複数の不動産会社の査定を受けることが可能である、一括査定サイトになります。
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