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空き家の売却を考える50代夫婦へ!手続きや税金の注意点も紹介

「長期間空き家を放置しているけれど、どうしたらよいか迷っている」「相続した実家の売却に、どんな手続きや費用がかかるのかわからない」と不安に感じていませんか。特に50代・60代の夫婦の方にとっては、相続登記や税金、家財整理など不明点が多いものです。本記事では、空き家の売却を円滑に進めるために押さえておきたい法改正のポイントや実務の流れ、悩み別の対処法まで丁寧に解説します。ぜひ参考にしてください。

相続登記の義務化と手続きのポイント

2024年4月1日から、不動産を相続した場合に「相続登記を行うこと」が義務となりました。相続を知った日から3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料が課せられる可能性があります。この義務化は、空き家や所有者不明土地の増加による景観悪化や防災上の懸念に対応するためです。

相続登記を行わないまま放置すると、売却や解体などの手続きができなくなり、空き家が「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定される恐れが高まります。指定されると固定資産税の軽減措置が外れて税負担が最大6倍になることもあり、行政からの是正勧告、最悪の場合は強制撤去を命じられることもあります。

相続登記を進めるにあたっては、司法書士への依頼が一般的です。必要書類を揃え、登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)と司法書士手数料を支払う形で進行し、手数料の相場はおおよそ6万~7万円程度とされています。

項目概要注意点
義務化時期 2024年4月1日から 過去の相続も対象(2027年3月31日までに登記)
罰則 10万円以下の過料 正当な理由なしに期限を過ぎると対象に
手続き依頼先 司法書士 手数料+登録免許税が必要

ご夫婦でご相談される際は、まずは法務局や専門の相談窓口でご自身のケースを確認いただき、手続きの準備を進めることが大切です。ご不明な点はお気軽にご相談ください。

税制上の特例を活用して税負担を軽減する方法

相続した空き家を売却する際に、譲渡所得から最大で三千万円を差し引ける「相続空き家の三千万円特別控除(空き家特例)」は、多くの方にとって非常に有効な節税手段です。この制度を活用するためには、以下の要件を理解し、適切に準備することが大切です。

主な要件内容備考
控除額譲渡所得から最高三千万円控除相続人が三人以上の場合は一人あたり二千万円に減額
売却期限相続開始から三年を経過する年の十二月三十一日までさらに制度自体の期限は令和九年(2027年)十二月三十一日まで
耐震・解体対応築年数が昭和五十六年五月三十一日以前、かつ売却前後に耐震リフォームまたは取り壊し2024年以降は買い主による売却後の対応でも可能に緩和

まず、控除額として譲渡所得から三千万円を差し引けますが、相続人が三人以上いる場合は、一人あたり二千万円に減りますのでご注意ください。この点は、税理士にも確認することをおすすめします。

次に、売却のスケジュールについて重要なポイントがあります。相続開始から三年を経過する年の十二月三十一日までに売却を完了させる必要があります。また、この制度は令和九年(2027年)十二月三十一日までとなっており、要件と制度期限の両方を満たすことが必要です。

さらに、建物については昭和五十六年五月三十一日以前に建築された旧耐震基準の物件が対象です。また、耐震リフォームや取り壊しが義務付けられますが、令和六年(2024年)以降は買い主が売却後に対応する場合でも特例が適用できるようになり、売却の柔軟性が高まりました。

これらの条件に該当すれば、譲渡所得税は大きく軽減できる可能性があります。ただし、制度の要件は複雑ですので、確定申告の際には税理士への相談や、必要書類の準備(譲渡所得の内訳書、確認書、耐震証明など)を早めに整えて進めることが重要です。

50~60代夫婦が直面しやすい悩みとその対処法

空き家の売却を考える50~60代のご夫婦にとって、特に多く寄せられるお悩みは以下の通りです。

悩みの内容代表的な事例負担の要因
家財の処分が進まない仏壇や遺影があって処分に踏み切れない、ご自身では手がつけられないほど荷物がたまっている思い出との整理が難しく、心理的にも物理的にも重い負担
遠方での管理が困難地方にある実家へ頻繁に行くのが体力的・時間的に難しい、ご近所から草木や越境への苦情がある移動の労力、見回りの手間や近隣トラブルへの対応
売却方法が分からないどのように価格を設定すればよいか分からない、仲介・個人間・買取などの違いが把握できない専門知識の欠如、不安から動き出せない

これらのお悩みには、以下の対応方法が有効です。

  • 家財の整理は、残置物のまま売却可能な「現状のまま売却」などを専門家が提案するケースもありますので、ご相談ください(例:片付けが進まない状態から最短数週間で売却された事例もあります)。
  • 遠方からの対応が難しい場合も、地域に詳しい不動産事業者が現地調査や管理を代行し、対面を減らした売却支援が可能です。
  • 売却方法については、不動産会社に仲介を依頼した場合、事務作業や交渉を代行してもらえるため、負担が軽くなります(実際、7割以上の方が仲介を利用し、8割以上が「スムーズだった」と感じています)。

ご自身だけで悩まず、まずは安心してご相談いただける専門家に繋がることが、問題解決の第一歩となります。

スムーズに売却を進めるためのステップと心構え

まずは、以下の3つの基本ステップを整理しておくことが重要です。どれも順序よく進めることで、売却の流れが円滑になります。

ステップ内容の概要ポイント
現状確認と名義整理登記情報や建物の状態、残置物の有無を確認相続登記は2024年4月から義務化されたため早めの対応が必須です
査定・販売準備適正価格を算出し、荷物整理や清掃などの準備を行う築年数や劣化状態により査定額が変わりますので、正確な査定が大切です
売却活動とタイミング適切な売却時期を判断し、販売開始春や3月の時期は需要が高まるため売却の好機とされています

空き家を長期間放置すると、固定資産税や都市計画税などの負担が増し、特に「特定空家」に指定されると、住宅用地特例が外れて税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。また、劣化による資産価値の下落や、近隣への悪影響などのリスクも大きくなります。こうした放置による影響を避けるためにも、早めに売却を検討するのが得策です。

放置のリスク影響
税負担の増加特定空家指定で固定資産税が最大6倍に
資産価値の低下築年数や管理状態により価値が大きく減少
近隣トラブル景観悪化や不法投棄などで関係性悪化の恐れ

さらに、売却を進めるにあたって、夫婦で話し合いながら進める姿勢も重要です。遠方にある空き家の管理や手続きが難しい場合は、役所や専門家へ相談できる窓口を利用し、負担を軽減しましょう。支え合いながら進めることで、不安も軽くなり、意思決定もスムーズになります。

まとめ

空き家を売却する際には、相続登記の義務化や税制上の特例など、押さえておきたいポイントが数多くあります。特に、2024年4月から始まった相続登記の義務化により、円滑な手続きが重要となりました。また、税負担を軽減できる特別控除の活用も、大きな助けとなります。家財の整理や遠方管理といった悩みも、専門家に相談することで解決への道が開けます。ご夫婦で協力しながら、計画的かつ安心して売却を進めていきましょう。

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